八方備人であるということ

 中学3年生、15歳の時、初めてレストランの皿洗いのアルバイトとして、飲食業界に足を踏み入れてから、早30年の月日が流れようとしています。
 高校卒業とともに調理の修行をはじめ、「絶対自分のお店を持つ」と決心し、実家を改装して小さな洋食屋さんを始めたのは27歳の時でした。たくさんのお客様にお店に来てもらい、楽しい時間を「食」を通じて提供する。自分が仲間たちとやってきたことはまさに「お客様にどうやって楽しんでもらうか」だったような気がします。
 外食ですから、おいしいのは当たり前、それだけではどこにでもあるお店と変わらない。しかし、自分という一人の「人間」と「お客様」の間に「信頼」という絆を創り上げることができれば、それはほかに代えられないお店となります。
私自身、創業以来、多くの「ひと」に支えられ、助けられてきました。長引く不況の社会情勢の中、今日の私たちがあるのも、ひとえに「ひととの関わりを一番にしてきたから」です。
 ただ良く見せるだけの八方美人ではなく、常に人とのつながりを大切にすることが備えとなる、八方備人であることは、自分自身と会社に関わる個人の将来を切り開くために、重要なことだと考えています。